目の検査のスペシャリストの視能訓練士に、ICL手術前の検査についてインタビューしました。
- どんな検査をするの?
- 検査時間はどれくらいかかる?
- ICLが受けられない人ってどんな人?
ICLを受けようか悩むあなたに代わり、ICLの検査の気になるアレコレを細かく質問しました。
この記事を読むと、安心してICLに望めますよ。
H2:【眼科検査のスペシャリスト】視能訓練士ってどんな仕事?
視能訓練士とは、眼科に関するさまざまな検査を担当し、目の機能を評価・サポートしたり、目の機能の回復訓練を行う国家資格をもった専門職です。
最近では、コンタクトレンズに加えてオルソケラトロジー、レーシック、ICLなど矯正技術の進歩に伴い検査の重要性が増しています。視能訓練士は、これらの検査結果をもとに医師の診断や治療方針決定を支える、まさに眼科チームの要といえる存在です。
ICL適応検査とは?まずは全体の流れをチェック
ICLを検討している方が最初に受けるのが「適応検査」です。この検査ではICLがご自身の目に安全に挿入できるかどうかを総合的に評価します。
ICL適応検査の所要時間はどれくらい?
平均所要時間の目安は「90分〜120分」
適応検査は一つひとつの検査は数分で終わるものが多いですが、トータルで90分〜120分ほどかかるのが一般的です。
適応検査当日の流れ(例)
- 事前に電話またはオンラインで予約
- カウンセリング(説明・希望視力など)
- 適応検査(ICLが受けられるかどうか確認する)
- 医師の診察
- 精密検査(レンズのサイズを決定する)
ICL適応検査の内容と目的|ICLが受けられるかを確認
主な検査項目一覧
検査名 | 所要時間 | 内容 | 目的 |
---|---|---|---|
屈折検査 | 1-2分 | 機械の中の気球や風景を見て行う検査近視・遠視・乱視の度数を測定 | おおまかな目の状態を知ることができる |
視力検査 | 5-10分 | 裸眼・矯正視力を確認 輪っか(ランドルト環)の切れ目を答える検査 | レンズを入れて最良でどれだけ見えるか確認基本的な検査ですが、とても重要な検査です |
角膜形状解析 | 3-5分 | 機械にあごを乗せて目の表面の形・カーブを測定 | 乱視の程度・円錐角膜の有無をチェック |
角膜厚 | 1-2分 | 角膜の厚みを測る | 手術適応の判断に使用 |
前房深度 | 1-3分 | レンズ挿入のスペースの有無を確認 | ICLが安全に入るかをチェック |
内皮細胞数 | 3-5分 | 目の表面にある細胞の健康状態を確認 | 細胞数が少ないと適応外になることも |
散瞳検査(眼底) | 20-40分 | 目薬で瞳を広げて、眼底の状態を観察(瞳が広がるまで10-30分程度) | 網膜や視神経疾患などがないか最終チェック |
測定時のポイント
- 視力検査で輪の切れ目がはっきり見えていないと答えてはいけないと思っている方が多くいらっしゃいますが、なんとな〜く見えたら答えていただいてOKです。
- 機械にあごを乗せて測定するものは基本的に何度か瞬きをした後、大きく目を開けて中を覗いていただくと測定がスムーズです。
適応検査で使う機器
事前にどんな機器を使うか知っておくと緊張感が和らぐので、よく使う検査機器を紹介します。

視力を測る前に目の度数を調べる機械です。

角膜の細胞の数や形を調べる機械です。

角膜の形状・厚み・レンズを入れるスペースなどを調べる機械です。
精密検査の内容と目的
精密検査はあなたに合うICLレンズを選ぶための検査
適応検査でICL手術が受けられるとわかったあとは、レンズの度数など詳細な検査を行います。
適応検査と術前検査は別日で行うクリニックがほとんどです。
術前検査は60-90分程度時間がかかります。
ICLにおいて特に重要な検査は角膜の形状(角膜形状解析)と眼球の長さ(眼軸長測定)なので、視能訓練士はこの検査を行っているときは特に集中して測定しますが、検査を受けていただくみなさんはいつも通りリラックスしていただいて大丈夫です。
適応検査も含めて術前検査で眼軸長測定を2回以上測定してもらえるクリニックは結果の誤差も少なく安心できるクリニックです。
また、術前に見え方の相談などカウンセリングをしっかりしてくれて、納得した状態で手術してくれるクリニックは信頼できるます。「なんだかもっと説明してほしいな」とか「よくわからないまま手術されてしまいそうだな」と思わせるようなクリニックはおすすめできません。
いいクリニックは術前までの納得感が違います。
検査当日は緊張して来院される方が多いですが、適応検査・術前検査ともに一つ一つの検査は数分程度で終わる簡単なものなので負担は少ないので安心してください。
精密検査でよく使う検査機器

眼球の長さを調べる機械です。
ICL適応検査を受ける前に知っておきたい注意点まとめ
コンタクトレンズの装用制限
ソフトコンタクトレンズを装用している方は2-3日・ハードコンタクトレンズの方は2週間程度の制限が必要です。
なぜ装用制限が必要か?
コンタクトレンズを装用している間は角膜の形に影響を与えます。角膜の形が元に戻る前に検査をしてしまうとICLの度数がズレてしまう可能性があるためです。
術前検査が終わったら装用してもよい?
検査後はいつも通り装用可能です。手術当日は眼鏡で来院してくださいね。
散瞳後は運転NG!
4-5時間は瞳が広がった状態になるので、車や自転車の運転は避けていただきます。お帰りの際は足元に気をつけて。
ライトなどの光を見るといつもより眩しく感じたり、ものを見る時に焦点が合わせづらくなります。(スマホやPC画面のバックライトも眩しく見えるので注意)
検査でICL適応外になるケースもある?
検査で適応外になることはごく稀で、レンズを入れるスペースが極端に狭かったり、たまたま適応検査で他の疾患が見つかったりした場合となります。
このケースも稀ですが「術後に絶対両眼とも視力を2.0にしたい」や「車が運転できるギリギリの見え方の0.7にしたい」など視力の数値まではお約束できないため、そこに強いこだわりがある方は過去にお断りさせていただいたことがあります。(クリニックとしては出来るだけ遠くをしっかり見えるように調整しますとか、1.0以上見える可能性が高いですなどの言い方をすることが多いです)
視能訓練士が回答|よくある質問&安心ポイント
レンズって取り替えないといけないんですか?どれくらいもちますか?
この質問が1番多いです!
ICLのレンズの寿命は約40-50年といわれています。数年で取り替えるものなくほとんど一生ものなので安心してください。
仕事復帰はいつからできる?
デスクワークでしたら数日で復帰できます。力仕事だと、汗が目に入って感染症を起こしたり、目の周辺に力が入ると傷口が開くリスクがあるため、1週間程度みておくと安心です。
化粧はいつからできる?
術後すぐ目にばい菌が入り感染症を起こす危険性があるため、アイメイクは1週間ほど避けましょう。アイメイク以外の部分は数日で可能です。
ICLとレーシックの違いは何?
ICLはレーシックとは違い角膜を削らない手術です。角膜の厚みに依存しないため、近視が強くレーシック手術を断られてしまった方でも幅広く適応があるのが強みです。
万が一術後数年経って別の疾患にかかったとしてもレンズは取ることができますし、手術によってできるキズも数ミリなので出血もほとんどなく回復も早いため安心です。
視能訓練士からICLを受けるか迷うあなたへのメッセージ
「人生で1番やってよかった手術はICLだった」
「朝起きた瞬間から身のまわりがみえるって幸せ」
「眼鏡やコンタクトを持ち運ばなくてよくなって便利」
「家のお風呂や温泉でよく見えるようになって最高!」
など術後にうれしい声もたくさんいただきます。
適応検査のみできるクリニックもあるので、興味のある方はぜひ一度相談してみてください。
まとめ|ICL術前検査は、クリアな視界への第一歩
検査は面倒に思えるかもしれませんが、未来の見え方を大きく左右する重要なステップです。信頼できるクリニックで、納得のいく準備を進めていきましょう!
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